免疫グロブリンAからみた新型コロナウイルス感染リスクの可能性

3カ月ほど前ですが、6月の健康産業新聞で興味深い記事がありました。
株式会社TTC代表の山本氏の特別寄稿です。

日本では、飲食店の営業や通勤、買い物など人と人との接触が欧米のように厳しく規制されていないのにも関わらず欧米のような爆発的増加までは至っていない。

これはなぜだろう?という、感染症専門家の見解とは少し異なる観点「人種、民族的な相違」からの考察でした。著者が注目したのは免疫グロブリンA(IgA)

まず免疫についてまとめてみますね。AEAJ認定インストの公式テキストをお持ちの方は、解剖生理学の「免疫グロブリンの種類」をご覧ください。


免疫グロブリンは5種(IgG、IgA、IgM、IgD、IgE)。このうち新型コロナなどウイルス抗体検査で関与するものは2種(IgG、IgM)。

「新型コロナウイルス 抗体キット」で画像検索をかけると「IgG、IgM」の2つを検査するキットが出てくるかと思います。なぜ、2つ調べるのかと言うと、初期に感染している状態か。あるいは日数が経過している状態(数か月~数年)かを確認する必要があるからです。

IgMは、免疫グロブリンMとも呼ばれております。最初に産生される抗体で初期感染の検査に用いられるんですね。感染による典型的な症状が出る前に免疫グロブリンMの量が上昇すると言われております。但し短期間で消失してしまいます。維持できないんですね。IgMに遅れて出現するのがIgG。こちらは多量に産生され多くの感染症で重要な働きをします。漸減しながら長期間持続すると言われております。

つまりIgMが最初に産生される抗体で短期間で消失。次いでIgGは発病後も抗体を持続。片方だけの検査だと、感染時期によっては見落とす可能性があるんですね。初期感染かもしれないし、過去に感染していたかもしれない。

著者が注目したのは免疫グロブリンAとも呼ばれる「IgA」。粘膜表面から病原体の侵入を防ぐ働きがある役割があります。唾液のほか、母乳中にもふくまれ乳児の感染予防に役立つとされています。

IgAは、各種アレルギー患者(スギ花粉、鼻炎、アトピー、喘息)では健常者に比べ有意に低いようです。そしてIgA欠損症というごくまれな疾患があり、一旦気道感染がおこると20~30%が重篤な症状を呈することが最近の研究で判明したよう。

これらが人種により差があるかを調べた結果、日本では14,840~18,500人に一人の割合。アメリカでは223~1,000人に一人の割合。中国は2,600~5,300人に一人の割合。

かなり差がありますよね。著者はこのIgA欠損症の割合の違いが、日本での爆発的増加に至っていない点ではないか?と述べられていました。

色々な説がありますが、これも一つの考えですね。

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